京都大学の教職員の職階と性別については、第1 章で見たとおり、性別による大きな差が存在する。職階が高くなるほど女性の割合は減少する。反対に、職階の低い層や非常勤職では女性の割合が高い。ここでは、教職員の昇進のパターンに性別による違いがあるのかどうかを検討してみよう。この分析では昇進の可能性のある常勤教職員に分析対象を限定せざるをえないが、たとえば補佐員のように昇進のない非常勤職に女性が多いことがそもそも大きなバイアスである。また、京都大学に留まらずに転出する割合にも性別による差があると言われている。それらの問題についてはまた別の分析が必要だという限界を自覚しつつ、ここでは今できる分析を進めよう。
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2.3.1. 教員の採用と昇進
昇進に関連する質問は、教員についてはQ42 とQ43、職員についてはQ50 である。Q42 では男女常勤教員に対して、京都大学助手、講師、助教授、教授に採用された、もしくは昇進した年齢を尋ねている。助手に採用された後、他大学に転出し、また京都大学に教授として採用されたというようなケースもなかには含まれる。
表2-3-1 は職階ごとに採用・昇進のあった女性教員、男性教員の総数と、採用・昇進年齢の平均、標準偏差、最小値、最大値を示したものである。講師については男女とも、教授については女性の該当数がそもそも少ないことに注意が必要である。それぞれの職に就いた平均年齢は教授以外では女性の方が高い。助手では4.3 歳、助教授では2.3 歳の男女差がある。
しかし、より興味深いのは採用・昇進年齢の分布である。図2-3-2 では、ある地位に採用・昇進のあった女性教員、男性教員それぞれの総数を100%として、年齢ごとの採用・昇進件数の分布を示した。数が少なすぎる講師を除いて、男性では「昇進適齢期」とでも呼ぶべきピークが見出される。助手では27~30 歳、助教授では34~39 歳、教授では45~49 歳前後がそれに当たる。それに対して女性では、助手では男性と同じ時期に一つのピークがあるものの、30 代半ばにもう一つのピークがあり、30 代後半から40 代初めという、男性はめったに助手にならない時期に採用された一群の女性たちがいる。助教授でもやはり男性のピークは済んだ40 代半ばに、女性の一つの山があるようだ。女性の採用や昇進は男性とは異なる論理で行われているのではないかと推察させる。この傾向が消滅する方向にあるのかどうかを検証するため、現在50 歳未満の年齢層に限って助手についての分析をやり直したところ、35 歳のピークは無くなったが、30 代後半から40 代前半までに採用された女性たちのケースは消えなかった。
女性教官懇話会(1984)では、当時の女性教員は男性教員より「学部卒業後現職までの年数」が平均して長く、散らばりも大きいことを発見し、「男性社会」に存在する「採用・昇格等に至る年限ないし年齢に関する社会的通念」の適用から女性は排除されていると指摘している。それから四半世紀が経過した今回の調査でも、同じ現象が見出されたということになる。
では、女性はなぜ男性に適用される「社会的通念」から排除されるのだろうか。単なる偏見のためだろうか、それとも女性に作用しやすい社会的条件、たとえばよく言われるように家庭生活の負担が原因なのだろうか。本調査では家庭生活について、配偶者の有無(Q6)、子どもの有無(Q9)、介護経験の有無(Q12)について情報を得ている。介護経験のある人が増加するのは50歳以上なので、ここでは昇進の時期に関係しそうな前2 者と昇進年齢との関連を調べてみよう。図2-3-3 と図2-3-4 を見ると、配偶者の有無と子どもの有無はいずれも男性の昇進にはほとんど影響を及ぼしていないと言ってよかろう。また配偶者のいない女性、子どものいない女性は、いずれもこれら男性と遜色ないキャリアパターンを描いている。このパターンから唯一はずれるのが「配偶者あり」の女性と「子どもあり」の女性で、助手の段階では「配偶者あり」は約5 年、「子どもあり」は8 年ほどの後れをとっている。しかし子どもの有無に関するかぎり、ギャップは次第に縮まっていくようで、教授昇進時点では違いはまったく無くなっている。
ここでの知見の意味づけは簡単ではない。家庭をもつことが女性研究者のキャリア形成を後らせるのは、残念ながら事実のようだ。多くの女性研究者がかつては結婚を避け、その後は子どもをもつことを避けてきたのは、その意味では合理的選択であった。反面、一時期さえ乗り越えれば、子どもの負担は次第に軽減されて、結局は研究者としての達成になんら影響を与えないとも言える。しかし、それは教授になれた者のみについての結論なのかもしれない。そこで先行研究を参照して、京都大学以外の研究者のケースも考慮して、ここでの知見の意味を考え直してみよう。
「家庭負担からの回復」効果とも呼ぶべき家族持ちの女性研究者の負担軽減後の活躍は、先行研究では塩田・猿橋編(1984)の、研究者の業績の分析で指摘されている。レフェリーのある雑誌への発表論文数については、「子どものいない女性の業績の方が49 才まで高いといえる」が、「50~54 才の間で子どものいる人のほうが論文数が多くなる」(p.39)。「子どものいない女性の業績は総体的に男性との差が余りみられない」(p.39)という点も、我々の知見に通じる。文科系の女性の著書数については「若い時は子どもの無い方が冊数が多く、45 才で逆転して今度は子どものある方が冊数が多くなる」(p.41)という。しかし「業績」と「地位」とは別のことである。地位に対する家庭経験の効果は、原編(1999)で検討されているが、結婚や子どもがいることの効果は女性では観察されず、すなわち女性は女性であるだけで家庭的条件とは関係なく男性より地位が劣り、男性では未婚男性の地位が既婚男性より低かった(p.149-150)。我々の知見とはまったく異なっている。この10 年間で大学の人事政策が変化して、女性でも昇進させるようになった時期にちょうど子どもの負担も軽減していて昇進したのが現在の女性教授たちなのだろうか。
なおQ43 では、京都大学の管理職への就任と、国内学会の役員などへの就任の年齢について尋ねている。しかし、京都大学の管理職に就任した女性教員は、大学の歴史を通じて、2003 年に研究科長に就任した1 人しかいない。理事に就いた女性はまだ存在しない。分析以前のアンバランスである。国内外学会役員の初経験年齢は女性の方が男性より平均して1.6 歳若い。
2.3.2. 職員の昇進
では次に、男女常勤職員について同じ分析をしてみよう。ただし職員と教員とでは職階構造が異なることに注意しないとならない。第1 章の図1-1-1 がよく表しているように、教員では助手、助教授・講師、教授の人数がほぼ1000 人ずつでほとんど違わない。しかし職員では、課長補佐級から人数が絞り込まれる。上位のポストの数そのものが少ない職員では、昇進はより熾烈な競争とならざるをえない。
Q50 では、主任、掛長級、課長補佐級、部長・課長級への昇進年齢を尋ねている。表2-3-2 にあるように、平均昇進年齢は、主任では1.7 年、掛長級では5.1 年、女性が遅い。課長補佐級では反対に女性が1.7 年早い。
図2-3-5 では昇進年齢の分布を示している。男性については、主任、掛長級では明瞭な、課長補佐級では緩やかな「適齢期」が見出されるが、部長・課長級ではピークは無い。女性については、主任では男性と同じ時期にピークがあるが、女性教員の助手採用と同じように、ピークより高い年齢で昇進した一群のケースが存在する。掛長級では、ピーク自体が女性と男性でずれており、女性のピークはより高い年齢にある。しかもピークを過ぎてからも昇進するケースがしばらく続く。職員のキャリアパターンの男女格差は、掛長級の段階で目立ってくる。主任と掛長級では人数はむしろ後者のほうが多いのに、いったいなぜなのだろうか。
課長補佐級は女性の昇進の数そのものが少ないが、男性のピークの後ばかりでなく、その前に若くて昇進した女性たちがいるのが目を引く。平均昇進年齢を下げている「抜擢」のケースであろうか。部長・課長級では男性にもピークが存在しないうえ、女性の数も非常に少ないので分析しにくいが、男性であってもまったく無理のない年齢での昇進であるとは言える。
まとめると、職員の女性たちは、主任昇進時には「採用・昇格に関する社会的通念」の適用を受けているようだが例外もあり、それ以上の地位については男性とは異なる扱いを受けている様子がうかがえる。現在50 歳未満の年齢層に限ってみても、ピーク以降に主任に昇進した女性たちは消えないので、職員組織内での女性の男性と異なる位置づけが、消滅の方向にあるとも言えない。
では、女性職員の昇進のパターンを、男性と違わせている要因は何だろうか。教員の場合と同様、家庭要因との関連を見てみよう。図2-3-6 は配偶者の有無、図2-3-7 は子どもの有無と各階層への平均昇進年齢との関連を示したものである。配偶者と子どもいずれの有無も男性の昇進パターンに影響を与えないのは、教員の場合と変わらない。子どもや配偶者のいない女性も、男性にほぼ近いパターンを描く。女性も単身であれば、少なくとも昇進した人に限っては、男性と同じペースで階段を上がっている。
これらの人々と、主任昇進では1.5~2.5 年ほど、掛長級昇進では5 年あまりの差をつけられてしまうのが、配偶者や子どものいる女性である。配偶者の有無よりも子どもの有無による差の方が大きいので、育児の負担が本質的なのだろう。表2-2-1 で見たように、主任のときに育児休業をとった女性職員は、掛員のときにとったよりもむしろ多かった。それが掛長級への昇進を遅らせたとしても、休業期間以上の遅れが出ている。育休期間が終わっても、子どもが小さいうちは少しゆっくり仕事をしたいと本人が希望したケースもあるかもしれない。しかしまわりが最初から子どものいる女性職員を昇進の対象外のように考えて、要職に就けないということはないのだろうか。
しかし家庭負担による差は、課長補佐級に昇進するケースではだいぶ縮まる。正確に言うと、昇進した人々を見るかぎり、子どもや配偶者のいる女性たちの昇進年齢は、男性の昇進年齢とあまり違わなくなる。他方、家庭負担のない女性は、男性よりも一層早く出世している。女性にも管理職への登用の機会が開かれたとき、男性同様にキャリアを積んできた女性たちがまずその機会を得たということだろうか。部長・課長級に昇進した女性はあまりに少ないが、子どもがいることはもはや障害にはなっていない。
教員と比較して見ると、職員と教員という職種の違いを超えて、家庭生活のキャリアへの影響のしかたの類似性に気づく。子どもや配偶者のある女性の場合、中盤までは特に子どものためにキャリア形成が後れるが、その時期を乗り越えてさらに上位の職位につく者には、もはや家庭の事情は影響していない。「家庭負担からの回復」効果は、昇進する女性職員の経歴にも見出せる。
ただし、女性職員と女性教員を比較すると、家庭要因のキャリアへの影響の大きさには違いがあるようだ。子どもや配偶者のいる女性が、男性やその他の女性の描く「標準的」な昇進パターンから後れる度合いは、教員の方が甚だしい。この違いはなぜ生じるのだろうか。原因の解明は難しいが、育児のしかたについて見たように、保育所、育児休業、学童保育など、フォーマルな育児支援制度を活用しやすい職員は、そうした制度が利用しにくく不安定な手段に頼る研究者より、安心して休業し速やかに職場復帰できるのではなかろうか。女性研究者にとっては、就職年齢が遅いという研究者特有の事情が、就職期と出産期の重複という事態をうみ、いっそう就職を後らせ、そのことにより職場および行政からの育児支援も受けにくく� ��るという悪循環を生じさせて、深刻なキャリア形成への影響を与えているものと推測される。
とはいえ、昇進した人たちのみについての分析は、上位ポストの数の制限により昇進できる人たちが限られている職員については、教員について以上に限界がある。次にはなかなか、あるいは全く昇進しない人々について見ていこう。
2.3.3. 昇進しない常勤教職員
ここまでの分析は、昇進した人々についての分析だったので、2 種類の人々を対象から逃してしまったことになる。一方は常勤職ではあるけれど昇進を経験しない人々、もう一方は昇進システムの埒外におかれた非常勤職の人々である。第1 章の図1-1-2 を見てほしい。たとえば教員では助手、職員では掛員等として留まり続ける常勤職の人々の細い帯が40 代・50 代あるいは60 代まで残っている。他方、教員では非常勤講師、職員では補佐員の太い帯がある。非常勤講師の多くは本務校をもっているので、教員では「研究員」や「その他」として30 代後半以降も留まり続ける人々に注目したほうがより適切かもしれない。
常勤職だが昇進しないケースについては、女性教員についての先行研究でも指摘がある。「ライフコースの初期に女性が補佐員、副手、助手などと呼ばれるいわゆる二次研究者的な職種に押し込まれる、という問題がある。」「二次研究者として最初に位置づけられると、そこから抜け出すには長い年月がかかったり、人並みはずれた努力や業績などが必要であることが多い。」(原編1999: 144, 138)このような問題は京都大学にもあるのだろうか。
図2-3-8 は現在助手の人たちについて、助手に採用されてからの経過年数を求めたものである。3 年くらいまでの人々が多いが、それ以上のはるかに長い期間、助手を続けている人たちも存在し、最長は30 年以上であった。現在の助手のうち10 年以上この地位に留まっている人(1 人を除いて全員が理系)の割合は女性では17%、男性では20%になる。女性に偏った現象ではなく、性別によらず注目すべき問題である。しかし、さらに検討すると、性別による違いもあるらしいことが見えてくる。男性は20 代から採用されている人がほとんどだが,女性は30 代後半以降に採用されている人が多いので、全員が現在45 歳以上である。助手に採用する理由が性別によって違うことがあるのだろうか。女性教官懇話会編(1996)は「女だから一生助手のポストにとどまっているものという考えで話をされる。女性の昇進については対象外という考えを学部長でさえも持っている。」「女性であるため、就職して10 年間くらいは研究・事務・経理・来客接待等すべての雑務を担わされ、研究の主目的から切り離された。」「一番不愉快だったのは、後輩が次々と昇進し、自分より上の位置に来たこと。そのような場合、男性であれば、その人の心情を考えて先に転出をはかるとか、配置を考えると思う。」という証言を紹介している。もっとも今日もそうした慣行が続いているのかどうかについては、さらに調査しないとならないが。
比較のために助教授についても同様に昇進からの経過年数を調べてみた。すると図2-3-8 のように、やはり長期間助教授で留まり続ける人たちは存在し、25 年になるケースもあった。ただし助教授では10 年以上のケースは男性だけで、男性助教授の19%を占める。女性の助教授が増加しだしたのはようやく1990 年代半ば以降のことにすぎないので、そもそもそのようなケースはまだ生じていないとも言える。
掛員への採用年齢を尋ねていないため、同じ分析を職員についてすることはできない。第1 章の図1-1-2 を見ると「掛員等」に属する人々は男女とも30 代後半から急減するが、50 代やそれ以降まで少数ながら残る。ここでは詳細の分析はできないが、長期にその地位に留まっている人も確かにいる。その代わり、ここでは主任について検討してみよう。主任に昇進しているが、その後、長期間にわたりその地位に留まり続ける人たちがいる。図2-3-9 は、現在主任の人について、主任に昇進してから現在までの経過年数を示したものである。教員の助手の場合と異なり、主任で留まり続けるのは明らかに女性の方が多い。10 年以上主任の地位に留まっている人は、男性では10%なのに対し、女性では22%と2 倍である。掛長級への昇進年齢には明らかに性別によって異なるパターンがあるのはすでに見たが、その裏側にあるのが、主任に長く留まり続ける女性たちの存在であった。昇進における性別格差は、おそらく教員より職員のほうが深刻だろう。これに対して教員では、第3 章第2 節で見るように、採用における性別格差が大きな問題である。
2.3.4. 女性補佐員の仕事と家庭
非常勤職員である補佐員は、京都大学の構成員全体の実に8.4%を占める存在である。職員の半数以上を占め、教授・助教授・講師・助手を合わせた常勤教員全体とほぼ釣り合う人数がいる。第1 章の図1-1-1 によりその規模を確かめてほしい。また第1 章の表1-1-2 にあるように、本部よりも研究科・学部や研究所などに主に配置されており、すなわち学生や教員とのインターフェイスの部分を担っている職員の多くが補佐員である。しかもその74.2%が女性であり、京都大学の女性構成員全体の24.0%、4人に1 人は補佐員だということになる。これほどの大きな割合の女性たちが昇進が無く雇用も不安定で所得面でも大きな格差のある地位に置かれていることは、契約により合法的であるとはいえ、男女共同参画という観点からはやはり看過できない5。補佐員には男性もいるが、その年齢層は20 代が中心でせいぜい30 代前半までに集中しているのに対し、女性補佐員は40 代以上が38%にもなる。勤続年数が常勤職員並みに長い女性も少なくないのは周知のとおりである。非正規雇用と正規雇用との格差、および非正規雇用が女性に偏っているという現実は、京都大学のみならず日本社会一般の問題だが、それゆえにこそ社会の"知恵袋"である大学が率先してその問題の解決法を見つけだし、世に示していくことが重要ではないかと思われる。
では京都大学の女性構成員の4 分の1 を占める女性補佐員は、どのような特徴をもっているのだろうか。図2-3-10 では配偶者のいる割合(Q6)、図2-3-11 では子どものいる割合(Q9)を年齢別で示した。比較のため常勤女性職員と対比したところ、配偶者のいる割合は30 歳以上では補佐員のほうが低く、子どものいる割合はほとんどの年齢層でほぼ同じだが、50 代だけは補佐員のほうがかなり低い。非正規雇用は主婦の家計補助という世間の思い込みに反して、自らが家計維持者である場合も少なくないようだ。
女性補佐員と女性常勤職員との違いは、育児のしかたにも表れる(Q11)。常勤職員は育児休業制度や保育所・学童保育を利用して「自分が仕事・学習を続けながら育児」してきたのに対し、補佐員で育休の利用者はほとんどおらず、反対に常勤では1 人しかない「自分が退職・退学・休学して育児」が32%もいる。いったん退職して育児に専念した時期を経て、補佐員として再就職した人たちであろう。他方、保育所を利用して「自分が仕事・学習を続けながら育児」してきた女性補佐員も、常勤より割合は下がるとはいえ、34%いる。このうちどのだけが京都大学でのことかは本調査からは分からないが。また、本調査には表れないが、若年の補佐員のうちかなりの部分は結婚や出産により京都大学を去っていく。
介護を経験した割合は、女性補佐員と女性常勤職員との間に大きな違いはない(19%と23%)。ただし介護のしかたを見ると、補佐員では「主に介護した人」が「自分または配偶者」である割合が相対的に低く(Q14)、「その他の親族と協力して介護」したものが多い(Q17)。さきほど職員と教員の介護のしかたを比較したとき、女性職員は他の兄弟姉妹が主になって介護している場合にも手伝いに行っていると指摘したが、それは補佐員の特徴であった。
女性補佐員には仕事の面でも家庭生活の面でも、多様な経歴をもつ人々が含まれている。本調査で育児休業取得者が無かったが、常勤職員とほとんど同じように育児や介護の負担を負いながら、あるいは家計維持の責任も持ちながら仕事を続けていることに、目を向けなければならない。
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